近況 + 2012年映画ベストテン


22年前、天草に帰ってから就いた職場で大阪出張を命じられた。
2ヶ月足らずだったが、まったく知らない街で暮らすのは魅力があった。 

ましてや大阪! 

「ブラックレイン」の日本離れした暗黒な雰囲気が漂う街・・・、
いや「じゃりん子チエ」みたいにホルモン屋でテツが暴れてるような荒っぽい街・・・いや「細雪」みたいな色っぽくおっとりとした女性たちの関西弁が飛びかう街・・・!?


期待と不安半分で住んだ大阪だったけど、
結局は出向先と下宿を往復するだけで、街を楽しむ余裕はまったく無かった。
出向先の社長は気難しい人で、ずいぶん怒られたが、
最終日に「あんたは気に入ったから、今日は奢ったるわ〜。」と、飲みに連れて行ってもらった。


その店が「じゃりん子チエ」に出てくるような下町のお店。
ドキドキしながら入ったら、凄く上品な関西弁を使う女将さんがいて、ただし、客は大声で怒鳴りあってるような荒っぽい客。
これって俺が望んでいたシチュエーション??? 

2次会は、道頓堀の夜の風景に「ブラックレイン」のイメージを重ねながら歩いたっけ!


それから年月が経ち、久しぶりの大阪。 今回の目的は、映画館。 
魅力的な番組とたくさんの映画人が集まることで有名なシネ・ヌーヴォで
「ブエノスアイレス」(なぜか満員)を観て、トビタ東映に「雪之丞変化」、
「男はつらいよ寅次郎かもめ歌」を観に・・・。


表はさっぱりと整った映画館。 ロビーもまあまあ・・・。 
あれっ?よく見ると3人のおじさんたちが酒盛りしている。  
場内に入ると、やけに白い! スクリーンの寅さんが白々しているのだ。 
実はタバコの煙! 場内あちこちでライターの点火音!
弁当食べてるおばちゃんや思いっきりイビキかいているおじさん・・・。


もちろん、ちゃんと観て、いつもの寅さんのとぼけたセリフに大爆笑しているお客さんも・・・・。 この光景は、東京に住んでた頃、通いつめた新宿昭和館そのものだった。 絶対、初デートでは使えないような場所!


でも、俺は大好き! ラインナップもまた渋い! 
天草では、到底無理だと思うけど、一度は組んでみたい3本立てだ。  
しかも、ここは連日オールナイト(500円!)。 
しっかりお客さんがいるから出来るのだろうけど、ホント凄い!   

もう少し足を伸ばせば、新世界の劇場にも行けたのだが今回は断念。 
夜はお世話になっている‘シネマ自由区’のMさんや、アスミックのEさんと映画談義で盛り上がった。



さて第一映劇には、3月から4月にかけて、東京から珍しいお客さんが来てくれました 。一人目は、新宿昭和館で、ポスターやチラシを手掛け、現在も独特なタッチでイラストのお仕事をしている、ハピイ氏橋さん。

天草に帰って映画館を始めた当初、旧作を掛ける上でのアドバイスを求め、
新宿昭和館の支配人にお会いしに行ったとき、事務所で映画ポスターをせっせと描いていたのが氏橋さんでした。  

約10年ぶりの再会! 昭和館や東映B級映画の、かなりマニアックな話で夜を明かしました。 彼の手掛ける昭和アートは必見ですよ! 
(「ALWAYS三丁目の夕日‘64」公開中に、氏橋さんの作品を展示予定!) 



二人目(二組目?) は、安西水丸さんと小山薫堂さん。WOWOWで放送中、「W座からの招待状」の取材での来館でした。 

これまで、薫堂さんとは何度かお目にかかっていましたが、水丸さんとは、まったく初対面。 
過密スケジュールで、バタバタの取材だったにもかかわらず、
映画大好きな水丸さんと、少しの時間、映画の濃い話が出来ました。 
嬉しかったのは、このデジタル時代の今でも「映写機の音を聞きながら、映画を観るのが好き!」と言ってくれたこと。 

思い出の映画館、‘銀座並木座’の話では、そこで映画を観ると、外は雨じゃないか・・・?と、勘違いするくらい映写機の音が耳に残る映画館だったとか、
スクリーンを遮る大きな柱があり、何人かの客はかなり無理な姿勢で映画を観ていた、とか・・・・。 
とにかく話が尽きなくて、必ずもう一度、天草を訪れていただく約束をして、お別れしました。 水丸さんのエッセイとイラストが楽しめる、キネマ旬報に連載中の「4コマ映画館」を是非読んでください! 




そして3人目は俳優の堀田眞三さん。 

 (左:支配人   中央:堀田さん  右:支配人の嫁ではありません(゚Д゚)従業員デス 前列:従業員の娘)


東映映画や、TVヒーローものには欠かせないベテラン俳優で、
仮面ライダーの強敵トカゲロン、新・仮面ライダー(スカイライダー)のゼネラルモンスター、etc.・・・・、
でも自分的には「キイハンター」や「影の軍団シリーズ」で、
千葉ちゃんと死闘を繰り広げた俳優というイメージが強い人です。 


堀田さんとは5年前、千葉さんの誕生日パーティで初めてお話したとき、
同じ天草出身ということで郷土の話で盛り上がったのがきっかけでした。

そのとき、「今度帰郷したら、必ず映画館に寄るよ!」と約束したのが、
ついに実現!テレビの旅番組収録で天草に9年ぶりに帰ってきた、堀田さんが、約束だからと、わざわざ映画館に寄ってくださいました。


久しぶりに会う堀田さんは、以前お会いしたときと変わらず、律義で温かく素晴らしい人でした。 今は、テレビやVシネマ系の作品が多いそうですが、映画にも、
もっと出て欲しいです。 いつか、堀田さんの映画を上映して、トークショーなど出来たらいいなと、思っています!





ところで・・・・、遅くなりましたが、恒例の映画ベストテン(2011年分)を発表しておきます。

昨年は、母が他界したり、個人的にも怪我(骨折)をして、劇場で見た作品が激減!

そんな中選んだベストテンです。(汗)



    第1位 八日目の蝉

    第2位 英国王のスピーチ

    第3位 ハリーポッターと死の秘宝 PART2

    第4位 大鹿村騒動記

    第5位 ブラック・スワン

    第6位 漫才ギャング

    第7位 一枚のハガキ

    第8位 バーレスク

    第9位 猿の惑星:創世記

    第10位 ばかもの



いろんな意味でつらい1年だった昨年、たくさんの勇気と感動をもらったのが、
1位と2位の2作品でした。こんな作品に、もっと出逢いたいです! 

映画の力を信じて、今年も頑張ります。・・・・あっ、頑張っています。

35mmフィルム劇場として、今年は、繋げる興行に徹したいと思っています。 
噂では、来年の6月でフィルム映画の作成を終了するとか・・・? 
それならば、その最後まで付き合いたい!見届けたい! そんな気持ちです。 

皆様のご来場お待ちしております!!

                                             

2012年4月24日