館主 かっきーの独り言 

遠い映画の記憶

映画の記憶は、だいたいが、映画の内容と共にそのシチュエーションも記憶されている。

例えば小学5年生の頃、第一映劇で観た、
「小さな恋のメロディ」と「いちご白書」の2本立て。 

一緒に観に行った友達は、お目当ての「小さな恋のメロディ」が
終わったらさっさと帰ったのに対して、自分は、お金がもったいなくて、
そのまま「いちご白書」を観て帰ることに・・・。 

その映画は、小学生の頭では、分かりかねる、
恋と大学の学生運動を絡ませた青春映画だった。 
ただ、幼い自分の頭でも主人公の憤りだけは映画を通して伝わってきて、
映画館を出るときは‘メロディ・フェア’ではなく、
レノンの‘平和を我等に’のサビを口ずさみながら帰る自分がいた。
(主題歌のサ−クルゲームも名曲!)

もっと遡って、小学3年生の秋・・・・、
下校途中に見つけた映画のポスターに、私は釘付けになった。
それは、天劇という映画館で近日公開される、
「ボクは五才」と「ママいつまでも生きてね」の2本立てだった。

この天劇で、同時上映がヤクザ映画だったので、
親の許可がもらえず見逃した実写版「あしたのジョー」の恨みがあったため、
今回は親には内緒でこっそり観に行くことに・・・。

「ボクは五才」は、5才の男の子が一人で、
高知県のおばあちゃんの家を抜け出し、記憶とスケッチブックを頼りに、
大阪万博の建設で出稼ぎに行った父親に会いに行く、
言わば‘母をたずねて3千里’的な話だ。
(芥川隆行のナレーションによると、実話らしい。) 

ガメラシリーズの監督さんなので、途中、ファンタジックなシーンが
あったりして楽しいんだが、最後はグッと泣かせる映画である。 
40年前に観たきりなのに、この映画の主題歌はなぜか、
今でも歌えるほど大好きな映画だ。 

同時上映の「ママいつまでも生きてね」は、
当時人気子役・中村光輝の健気な演技が光る、
いわゆる病気モノで、それから私は数日間、「死」について悩むことになる。

映画を観た夜、内緒のつもりだった親に映画を観たことを白状して、
「人は死んだらどうなるのか」、「なぜ死ぬのが分かってるのに生きるのか」、
本気で聞いたのを、今でも覚えている。
「ママ〜」があまりにもつらい映画だったので、もう一度、
「ボクは五才」を観て帰ったなあ〜、確か・・・。 

そういえば、この2本立ての上映後間もなく、天劇は閉館になった。 
天劇は、この2本立てと、「ガメラシリーズ」、「大魔神」、
怪談ものが鮮明な記憶として、今でも心に残っている。

 

さてさて、話は変わりますが、毎年、10月か11月に開催していた、
本渡第一映劇の映画祭、「天草シネマパラダイス」、
今年は6月にやることにしました。
ラインナップは、トップページからご確認ください。 

作品は全部で9本!今回も、アクション・ギャグ・社会派・ミュージカル・
メロドラマ・青春モノ・・・・メジャーからマイナーまで
(自分の中ではみんなメジャーですが)、
なかなか九州の劇場ではお目にかかれない作品を集めました。

お勧めは、一週目・・・「直撃地獄拳大逆転」、
当館2度目の登場となるこの作品、前回はかなりプリントの痛みが激しく、
主演の3人が最初に揃うあの名シーンが、
まるまる飛んでて泣いてしまいましたが、今回は数年前に焼き直した
良好のプリント(のはず)です。

B級娯楽映画の決定版で、面白ければ、映画は何をやってもいい!
と言う見本のような作品です。石井輝男監督作品の入門編としても可!  


二週目・・・「にっぽん泥棒物語」、配役人も豪華な、
山本薩夫監督が撮った社会派・重厚な喜劇!予習として、
松川事件(ちなみに同名映画も山本監督作品)を調べておけば、
この映画の面白さは倍増します。


三週目・・・「僕の村は戦場だった」、30年弱の映画人生の中で
撮った映画は、わずか9本ながら、今でも世界中の映画人に影響を
与え続けている、ロシアの映像詩人、アンドレイ・タルコフスキーの代表作です。

もちろん、他の作品も、傑作揃い! 
(当初、実は今回のシネパラに、「ボクは五才」も選んでいたのですが、
フィルムの状態が悪かったため断念しました。)   

当日は、ホットコーヒー(&おかし)をサービスします。
無謀ですが、一作品50人以上の動員を目指しています。
もし目標が達成されたら、
「続・天草シネマパラダイス2010」を開催予定です。(・・・汗)

それでは皆様、ご一緒に楽しみましょう!

                             2010年    5月27日